オンライン診療(=遠隔診療)で診察して、薬を処方する流れになり、院外処方を採用している場合に、どのような流れになるかピンとこない方も居ると思います。このページでは、具体的にどのような流れになるか解説します。
院外処方の場合、現在は1つの面倒なルールがあります。それは、「患者本人が処方箋の原本を受け取り処方薬を受け取ること」です。そのため、クリニック側で処方箋の原本に印鑑かサインをして郵送しなければなりません。
その後の流れは普通の処方箋と同じです。つまり、患者さん側で、受け取った処方箋をを調剤薬局に渡し、患者が調剤薬局から薬を受け取り、薬剤師から薬について指導を受けるという流れになります。
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処方箋を郵送しなければならない理由はコピー防止目的
処方箋は、現状では原本を持参しなければならないルールがあります。その理由は、コピーされた処方箋で違法に薬を手に入れる人が出ないようにするためです。
例えば30日しか処方できない睡眠剤などは、勝手にコピーされると転売する人などが出て危険です。
そのため現状のルールでは、処方箋の原本を渡す以外の解決方法がないのが現実です。
将来は、電子処方箋という形で利用して調剤薬局と連携して薬を渡したり、他には例えばアプリを使い、薬局でQRコードを読むと1回だけ読み取れるようなシステムができてきたりするなどの工夫の余地はありそうです。また、それに伴って法律が変化していくとよいなと思います。しかし現状はまだ追いついていません(※制度が変わり次第追記します)
参考:http://info.medley.jp/entry/2016/11/15/174901
処方箋の郵送間違えをしないようなシステムはある
現状では、処方箋は信書という名前の郵便物(参考:信書について)になります。
処方箋を印刷し、信書で送るときに手書きで名前や住所を書き出すのは大変です。しかし、遠隔診療システムによっては、上記のようにその日に診察した人の住所一覧で印刷することができます。貼り間違えないようにすれば、他の住所に届くリスクは下がり、間違いが減ります。
発送は翌日や週明けに行うことも可能であるため、事務員さんが居る時間に発送をするということは可能です。82円の郵便で発症しているクリニックが多いです。
現状では院外処方とオンライン診療の親和性の課題
現在のところ、院内処方で処方薬を送るときに比べると、院外処方はやや不便と言えます。
もちろん、薬のダブルチェックを薬局でできるメリットや服薬指導のメリットは、安全性を上げる上で意義のあることです。
しかし、処方箋の受け取りの手間、薬局までの移動の手間などは技術の進歩で減らせると思います。
まとめ
オンライン診療で院外処方で処方箋を発行する場合、①処方箋の発行、②処方箋の郵送、③処方箋の受け取り(患者)、④調剤薬局に処方箋の持参、⑤処方箋薬をもらう、⑥薬の説明という流れになります。
郵便物をなかなか受け取れないサラリーマンや、病院に受診するのが大変な僻地の診療の助けという観点まで見ると、オンライン処方と院外処方はもう少し技術革新の余地が残ると思われます。